小学生のお子さんを持つ家庭にとって、自分たちの頃と大きく変わっていて驚くことがたくさんあります。その中でも勉強に関してよく挙げられるのが、「3年生からの英語授業」と「一人一台のパソコン」です。
一人一台のパソコンについては政府が推進する「GIGAスクール構想」という政策が背景にあります。これは将来大幅に不足することが予想されているIT人材を早い段階から育成し、来るAI時代に対応する狙いがあります。
小学校からプログラミング教育が導入されたのも同じ目的です。
一方英語教育の早期化も日本がグローバル化の中で競争力を維持するために必要な教育政策として2020年度から実施されています。
実際、一般的な公立の小学校でも英語の進度は早く、6年生になると驚くような内容をやっています。
そこで今回は、小学生を持つ家庭でどのように英語学習を開始すればいいのか、具体的な方法をご紹介します。
小学校で学ぶ英語の内容は?
2020年から小学校での英語教育が始まりましたが、実際に各学年でどのような内容を勉強しているのでしょうか。
実際に英語学習が始まるのは3年生からとなります。
ただ、3年生から4年生の間は「外国語活動」として位置づけられており、英語教育の導入時期として科目として成績をつけることはありません。
アルファベットや数の数え方、色などの基本的な単語をクイズ形式やカードを使って学ぶといったような内容で、授業時間も週に1~2時間程度設けられている程度です。
これが、5~6年生になると英語は正式教科になり成績もつけられます。
つまり、国語や算数などと同等の扱いとなり、授業時間数も年間70時間になります。
5~6年生で学ぶ英単語の数は600~700語と言われており、これまでに中学1年生で学んでいた単語数の半数以上を、小学生の段階で習得することになります。
さらに、読み書きだけではなく、リスニングやスピーキングも重視されるのが特徴です。
学習指導要領の見直しにより、いかに英語を重要視しているのかが分かります。
小学生の英語学習の始め方
小学生が英語を勉強する場合、その入り方は大きく2つのタイプがあります。
1つは、英会話から慣れていく方法でこの場合の先生は英語を母国語とする外国人になります。
小学生の習い事で英語は昔から一定の割合を占めていましたが、その多くはこの英会話教室です。
早い段階で外国人の先生と交流することで英語での会話に慣れるわけですが、つまり「音」から入るパターンです。
一方、最近増えているのが「文字」から入るパターンです。
このタイプも昔からありましたが、小学校で英語教育が開始されたことで昨今その割合が増えています。
英語が教科として位置づけられたことで差がつきやすくなりましたが、中学校に上がってから苦手科目にならないようにしたい、という親御さんの気持ちも反映されているのでしょう。
さらに高校受験や大学受験を意識して早期に対策したい、という早期受験対策派も一定数存在しています。
この場合は受験をはじめ多くの中学・高校でも推奨されている「英検」を指標として学習を進めていくことになります。
音から入る方法と文字から入る方法について正解はありません。
どちらも有効な手段ですし同時に進めることもできます。
そこで次に、それぞれのタイプのメリットデメリットとおすすめの学習方法をご紹介します。
英検学習から始めるメリットデメリット
英検とは、公益財団法人日本英語検定協会が実施しているテストで正式には「実用英語技能検定」といいます。
古くから日本の英語教育における代表的な指標として根付いていますのでご存じの方も多いと思います。
英語学習を英検から始めるメリットは、何と言っても受験に有利になることです。
一時期大学入試に採用されることが検討され結果的には見送りとなったものの、英検で一定以上の級を取得している受験者に対して英語科目を免除したり加点する高校、大学もたくさんあります。
また、早くから英語を得意科目とすることで、他の教科に勉強時間を割くことができるようになるのも大きなアドバンテージとなります。
反対にデメリットとして挙げられるのは、文法は理解できても実際のコミュニケーションの場で英語が通じない、という状況になる可能性があることです。
これは日本人の英語学習者全体に言えることですが、ペーペー試験では一定以上のスコアを取ることができるものの、目の前の外国人と会話すると「話せないし聞けない」、というものです。
TOEICテストで高スコアを持っているので海外赴任者に選ばれたものの、現地では全然通用しない、というビジネスマンがよく話題になるのも同じ理由です。
だからと言って、英検学習から始める方法が否定されるかと言うと全くそんなことはありません。
よく「間違いを恐れないでどんどん英語を話せばいい」と言われますが、そのほとんどは間違いを恐れて話さないのではなく、どのように話していいのかがわからないので話したくても話せないのです。
つまり話すためには最低限の正しい文法知識と単語力が必要となり、そのためには英検で学習するような文法や単語が土台として必要となるのです。
英会話から始めるメリットデメリット
一方で英会話から始めることのメリットは、早い段階で英語のコミュニケーションスキルを身につけることで、英語学習者の究極のゴールである「バイリンガル」に近づけることです。
多くの人が実感していると思いますが、大人になればなるほど英語を聞くための耳も英語を話すための舌も柔軟性を失っていきます。
それに対しまだ、まだ柔軟性がある子供のうちに英語の音に触れることで、英語を聞く力も話す力も、言葉を覚えるように自然と身につけていくことができます。
夫婦のどちらかがアメリカ人などの場合、子どもが自然とバイリンガルに育つのと同じ理屈です。
英会話から始める場合のデメリットは、学校のペーパー試験、特に文法問題に苦戦する可能性があることです。
自然な感覚で外国人と会話することができても、学校のテストで問われる文法問題に正解するには、いずれにしろ文法の勉強をする必要があるのです。
「英語ができる」と思い込んでいても、実際のテストでは文法を中心に勉強している子の方が得点が高い、ということも起こり得るのです。
英検学習の始め方
それでは実際に小学生が英検の勉強を始めようと思ったときにどのような方法があるのかご紹介します。
1、市販の学習教材を利用する
まず最も簡単かつ安価な方法は、書店や通信販売で購入できる教材を利用することです。
家庭で親がしっかりフォローできる、という場合は英検の2~3級程度までは市販の教材でも十分対応が可能です。
市販の教材で揃える必要があるのは、過去問、単語帳、予想問題の3つです。
全部揃えても1万円もかかりません。
これら必要な教材がすべてそろったオンライン教材「英検ネットドリル」もおすすめです。
2、英検学習ができるオンライン英会話を利用する
家庭で親が全てフォローするのはちょっと難しいけど教室に通うのも大変、という場合はオンラインの子ども向け英会話を利用することもできます。
オンライン英会話はフィリピン人講師との英会話が主流となっていますが、中には英検対策に対応してくれるスクールもあります。
英検対策ができるオンライン英会話を探したい場合はこちらの記事をどうぞ。
3、単発のオンライン家庭教師を利用する
継続してオンライン英会話を習う時間がなかったり予算を節約したい、という場合は単発のオンライン家庭教師を活用する方法があります。
これは教えたい人と教えてもらいたい人をつなぐマッチングサイトを利用する方法ですが、現在では実績のある質のいい先生もたくさん登録しています。
特に「ココナラ」では、教育関連の出品が充実していますので、興味のある方はこちらの記事を参考にしてみてください。
英会話の始め方
それでは英会話から始める方法をご紹介します。
1、市販の英会話教材を利用する
もっとも手軽に英会話を始める方法としてまず挙げられるのは、書店で販売している教材や通信教材を使うものです。
英会話は英語の音をたくさん聞く必要があるので、本の教材よりも音声教材やビデオ教材を利用することをおすすめします。
直接外国人の先生に習うのに比べ効果があるのか不安がある方もいるかもしれませんが、子どものうちに気に入った英語のビデオを何度も何度も見て真似することで、ネイティブに近い発音ができるようになったケースもあります。
子どもが継続できるかわからない、という場合は、まずはこのような教材から始めてみることをおすすめします。
2、オンライン英会話を利用する
手軽に生の先生の授業を受ける方法としてはオンライン英会話があります。
現在ではたくさんの子ども向けオンライン英会話がありますので、無料体験を通して自分に合ったスクールを見つけることができます。
無料体験ができるオンライン英会話についてはこちらからご覧ください。
3、英会話教室に通う
早期に英会話を身につけバイリンガルを目指すには、外国人講師がいる英会話教室に通うのが最も確実な方法です。
ただし、週に1回だけ通うだけではなかなか身につかないため、毎日音声教材を聞くなど、日々の学習を組み合わせることが重要です。
幼少期から定期的に外国人の先生に接することで、日本人が多く持っている潜在的な苦手意識を取り除くことができるのも大きなメリットです。
直接会話を続けることで自信をもって英語を発することができるようになります。
以上、小学生が英語学習を始める方法についてご紹介しました。
他の科目と違って、英語は中学校の勉強を先取りしやすい科目です。
少しでも早く始めることで子供が自信をもって取り組むことができますので、是非参考にしてみてください。
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