みなさんこんにちは。
いまさら聞けない、だけどサラリーマンとして知っておくべき世の中の常識ついて解説する「ビジネスパーソン教養講座」にようこそ。
今回のテーマは「5G」です。
で、先に結論から言うと、要するに、
ということです。
では詳しく紹介していきます。
5Gってなに?
5Gとは「5th Generation(第5世代移動通信システム)」の略で、次世代の通信規格のことです。
GはGeneration(世代)を表します。
5Gは現在主流となっている4Gよりも通信技術や速度が飛躍的に進化しています。
5Gの通信速度は4Gの20倍、遅延は4Gの1/10となり、さらに4Gの10倍のデバイスを同時に接続できるとされています。
5GはスマホのCMでよく見かけるので、「モバイル通信速度がすごく早くなる」とイメージしがちですが、5G普及すれば、モバイル端末だけでなくあらゆる機器からストレスなくネットワークを使うことができるようになります。
一部の機器で実施されているIoT(Internet of Things)が、さらに生活や産業の至る所で実用化されることになります。
そのため、4Gが「スマートフォンのためのモバイルネットワーク技術」とされるのに対し、5Gは「社会を支えるモバイルネットワーク技術」と言われています。
世界を大きく変える革新的サービスも、5Gが普及してはじめて世の中で広く活用することができるわけです。
5Gに至るまでの進化と現状
5Gというからには、その前には1G~4Gまでの世代があります。
1つ前の4Gは2010年代にスマートフォンの普及と時を同じくして導入されました。当時LTEという言葉を見かけた記憶がある方も多いと思います。
スマホのCMではELTが起用されていましたが、ELTは「Every Little Thing」(最近すっかり見ない)、 LTEは「Long Term Evolution」の略です。
ちなみに1Gから4Gまでの経過とその特徴は以下のようになっています。
1G (1980年代) | アナログ方式で携帯電話の機能は音声通話のみ |
2G (1990年代) | デジタル方式を使い携帯電話でメールやインターネットの利用が可能になる |
3G (2000年代) | 世界標準の移動通信システムで海外での利用が可能になる。 通信が高速大容量化しプラットフォーム上のサービスが増加した。 |
4G (2010年代) | スマートフォンの普及に応じて通信の高速大容量化が進み、 動画視聴やモバイルゲームなどが可能になる |
5G (2020年代) | 「高速大容量」「高信頼・低遅延通信」「多数同時接続」が実現する IoT時代の基盤となる通信インフラ |
ところで日本における5Gの状況ですが、2019年に試験サービスが始まり、2020年には3月25日にNTTドコモ、26日にKDDI、27日にソフトバンクと順次サービスがスタートしています。
2021年4月時点でも、5G通信が利用できるエリアはまだかなり限られています。
例えばNTTドコモの場合は、主要駅や空港などの交通施設、観光施設、ドコモショップ、その他屋外スポットから順次整備を進めている状態です。
新型コロナウイルスやそれに伴う東京オリンピック延期の影響もあり今後の見通しは不透明な部分もありますが、NTTドコモでは2030年度中に基盤展開率を97.0%にすることを目標に掲げています。
基盤展開率というのは、全国を10km×10Kmのメッシュに区切った際に、5G専用周波数を使った基地局が設置される範囲の割合のことです。
2030年には全国のほぼ全ての地域で5G通信が可能になるということです。
ちなみに1~4Gまであって5Gが普及し始めているということは、、、
そうなんです、各国は既に「6G」の開発も見据え動き始めています。
が、今のところ研究段階ですので今回は5Gに焦点を当てていきます。
5Gの特長
技術的に難しいことはさておき「これだけは知っておきたい」、という5Gの大きな特徴は次の3つです。
1、高速・大容量
5Gでは、通信速度が飛躍的に向上します。その測後は4Gと比べて20倍です。
2時間の映画をなんと数秒でダウンロードすることができるため、動画など容量の大きなデータをやりとりする際も待ち時間がほとんどなくなります。
5Gが一般化すれば、もはや「ダウンロード」という概念すらなくなるかもしれません。
2、超高信頼・低遅延
5Gでは、通信の遅延がごく小さくなり、4Gと比べて遅延は10分の1となります。
ゲームや映画鑑賞はもちろん、遅延が許されない自動運転や医療現場でも活用できるようになります。
3、多数同時接続
5Gではより多くの機器を同時にネットワークに接続できるようになります。
同時接続台数で言うと10倍です。
モバイル端末だけでなく、家電やウェアラブルデバイスといったさまざまな機器がネットワークに接続されるIoTがいよいよ現実のものとなります。
5Gになると何ができるの?
とにかく早いのは分かったけど、では具体的には5Gで何かできるんだ!?という話です。
5Gのサービスが開始されると、PCやモバイル端末だけでなくさまざまな電子機器がネットワークに接続されるようになります。
そして、いま以上にネットワークがいろいろな目的で使われるようになることが予想されています。
その代表的な例は次のようなシーンです。
車の自動運転
もっとも期待されている5Gの用途の1つ、それが自動運転です。
ネットワークに繋がった「コネクテッドカー」は、車両の状態や歩行者の位置、交通状況、デジタル地図などの情報を常時サーバーと通信します。
非常時のハンドル制御や隊列走行によって、交通事故・交通渋滞は大きく低減すると考えられています。
遠隔医療
5Gの「高速・大容量通信」と「低遅延」という特長を生かして、遠隔医療の可能性がさらに広がると考えられます。遠隔医療により地方の医師不足を解消し、医療に関する都市部と地方の格差を小さくすることも期待されます。
その場に医師がいなくても、遠隔地から映像を利用した診断を行うことができるからです。
さらに、ネットワーク経由でリモートコントロールできる医療機器を使って、より詳細な診療や処置を行うことも可能になると言われています。
働き方改革の推進
5Gは働き方改革の1つである「柔軟な働き方がしやすい環境整備」にも大きく貢献します。
「高速大容量」通信により、あたかも同じ空間にいるような感覚でビデオ会議を行うこともできるようになります。
リモート勤務中の会議では下は映らないので短パンスタイル、という方も多いと思いますがそれもできなくなるかもしれません。
また、大容量のファイルをスムーズに共有できるので、リモート勤務自体が一般化していくはずです。
この頃には、社員がどこに住んでいるか、というのはもはや全く関係なくなるかもしれません。
スマートショップ
5Gの高速・大容量通信を利用することで、高精細なネットワークカメラを店舗内に設置する柔軟性が高まります。
また、AIも活用すること顔認証や物体検知、人流解析を実現し、無人店舗やセキュリティ、マーケティングを高度化することができます。
Amazonが既に展開している完全無人のデジタル店舗「Amazon GO」が当たり前の時代になるでしょう。
VR、AR、MR
5Gの高速・大容量通信と低遅延を利用することで、VR、AR、MRなどを利用した多彩な表現が可能になります。
VRは仮想現実のことで、ディスプレイやゴーグルに投影された仮想空間で現実とは異なる世界を体験できます。
ARは拡張現実と言われるもので、現実世界に仮想現実を加えて現実を拡張した世界を体験できる技術です。ポケモンGOの世界です。
MRは複合現実と呼ばれており、現実世界を反映した仮想世界を体験できるものです。
これらの技術は、エンターテインメント、ゲーム、教育、医療、などのさまざまな分野で利用されはじめており、さらに身近なツールとなるはずです。
4K・8K映像の配信
5Gの高速・大容量通信を利用することで、4K・8K映像など大容量のコンテンツをスムーズに配信することが可能になります。
遠隔地からもスポーツやライブなどのエンターテインメントを会場にいるのと同じように楽しむことができます。
会場だからこその「一体感」や「興奮」がどこにいても体感できるようになるかもしれません。
スマートホーム
5Gの多数同時接続を利用することで、照明やエアコン、洗濯機など、家にあるさまざまな家電や設備をIoTデバイス化することができます。
これによりどこにいてもスマートフォンから操作する「スマートホーム」の実現が可能となります。現在のIoTデバイスは家庭用のWi-Fi回線を利用しているケースがほとんどです。
しかし5Gが普及することでより多くのIoTデバイスを直接操作することも可能になり、それらを連携させることで利用の幅が大きく広がります。
こうやって見ると、5Gという通信技術は、あらゆる分野の次世代技術を実現可能にする基盤となる技術であることがわかります。
次世代の通信技術、ということで自動運転やVRなどが目を引きますが、農業や畜産業などの1次産業や建築現場といった労働集約型の産業の在り方も大きく変革する可能性を秘めています。
以上、サラリーマンが抑えておくべき「5G」をご紹介しました。
既に5G対応のスマホを手にしている人もたくさんいるはずです。
あと数年もすれば、その端末は今とは比較にならない活躍をしてくれるかもしれませんね。
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