【ビジネスパーソン教養講座】DXって結局なんなの?

ビジネスパーソンのための教養講座
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みなさんこんにちは。

いまさら聞けない、だけどサラリーマンとして知っておくべき世の中の常識について解説する

「ビジネスパーソン教養講座」にようこそ。

ざっくり言うとDXの要点は以下の通りです。

ざっくり言うと

企業はグローバル経済の中で競争優位性を確立するため、デジタル技術を用いて革新的なイノベーションを実現していく必要がある

最近あちこちでDX、DX、って耳にしませんか。

「はいはい、デジタルトランスフォーメーションね」と頭の中で言っている人もいると思いますが、我々サラリーマン、ひいてはビジネスにはどんな影響があるのでしょうか。

実はDXは産業界におけるもっとも重要な課題の1つとして、経済産業省が強力に推進しています。

それは何故なのでしょうか。

また実際DXに取り組んでいる最新事例にはどんなものがあるのでしょうか。

というわけで今回は、ビジネスパーソンとして知っておくべきDXについてご紹介します。

そもそもDXとは

まず最初に言葉の意味から書くと、DXはDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略となります。

「DT」ではなく「DX」と表記されるのは、英語圏では「transformation」の「trans」を「X」と略し、「X-formation」とすることが一般的なためです。

英語の「Transformation」は「変容」という意味なので、DXを直訳すると「デジタルによる変容」となります。

それをもう少し広げてわかりやすく言うと、「デジタル技術を活用して従来の行動様式を変革していくこと」となります。

これをさらにビジネス目線で定義すると以下のようになります。

DXの定義

デジタル技術を軸に既存の価値観を根本から覆す革新的なイノベーションをもたらすこと

・デジタル技術を広く活用することで人々の生活をより良いものへと変革すること

従来の単純なIT化とは違って「ビジネスモデルそのもの」を変革し、さらに人々の社会生活にまで影響を及ぼす、という点が大きなポイントです。

日本政府のDX推進状況

遅ればせながら日本でも2018年に経済産業省がDXの定義を公表しました。

そこでは以下のように提唱されています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

経済産業省

そしてその後も経済産業省は国内企業におけるDXの推進を強力にバックアップしており、「DX注目企業2021」としてデジタル技術を前提としたビジネスモデル・経営変革に取り組む上場会社を選定し発表しています。

さらに経産省は東京証券取引所と連携し「DX銘柄」として選定までしています。

DX銘柄とは、東京証券取引所に上場している企業の中から、企業価値の向上につながるDXを推進するための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業を、業種ごとに最大1~2社ずつ選定して紹介するものです。

ちなみに2021年のDX銘柄は以下の通りです。

  •  清水建設株式会社(建設業)【証券コード:1803】
  • アサヒグループホールディングス株式会社(食料品)【証券コード:2502】
  • 旭化成株式会社(化学)【証券コード:3407】
  • 中外製薬株式会社(医薬品)【証券コード:4519】
  • 出光興産株式会社(石油・石炭製品)【証券コード:5019】
  • 株式会社ブリヂストン(ゴム製品)【証券コード:5108】
  • JFEホールディングス株式会社(鉄鋼)【証券コード:5411】
  • 株式会社小松製作所(機械)【証券コード:6301】
  • 日本電気株式会社(電気機器)【証券コード:6701】
  • ヤマハ発動機株式会社(輸送用機器)【証券コード:7272】
  • 株式会社トプコン(精密機器)【証券コード:7732】
  • 凸版印刷株式会社(その他製品)【証券コード:7911】
  • 東日本旅客鉄道株式会社(陸運業)【証券コード:9020】
  • SGホールディングス株式会社(陸運業)【証券コード:9143】
  • 日本郵船株式会社(海運業)【証券コード:9101】
  • 日本航空株式会社(空運業)【証券コード:9201】
  • ソフトバンク株式会社(情報・通信業)【証券コード:9434】
  • トラスコ中山株式会社(卸売業)【証券コード:9830】
  • 株式会社セブン&アイ・ホールディングス(小売業)【証券コード:3382】
  • 日本瓦斯株式会社(小売業)【証券コード:8174】
  • 株式会社りそなホールディングス(銀行業)【証券コード:8308】
  • 東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社(証券)【証券コード:8616】
  • MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社(保険業)【証券コード:8725】
  • 東京センチュリー株式会社(その他金融業)【証券コード:8439】
  • 株式会社GA technologies(不動産業)【証券コード:3491】
  • 株式会社ベネッセホールディングス(サービス業)【証券コード:9783】

なぜDXが必要か?

ではなぜ大企業がこのDXにこぞって取り組み、国も強力に推進しているのでしょうか。

それはわかりやすく言うと、DXを推進しないとグローバル化した世界の中で日本が取り残され産業競争力を失ってしまうからです。

現状では言わずと知れたamazonをはじめ、海外の名だたる企業がDXを実現し、その競争力を加速度的に拡大しています。

今後もDXにより世界のあらゆる産業で変革が起こる中で、日本が国際競争力を維持するためには産業界全体でDXを推し進める必要があるのです。

各企業はDXによりビジネスモデルの変革を実現することで競争優位性を確保することができますが、それに失敗した場合は事業の継続が難しくなる状況さえ起こりうるのです。

企業は市場での優位性を確立しビジネスに勝つためにDXに取り組む必要があるわけです。

ところが現在国内企業では共通して大きな課題を抱えています。

経済産業省はその課題を次の通り挙げています。

  • 既存の IT システムが老朽化・複雑化・ブラックボックス化していること
  • そのためデータを十分に活用しきれていないこと
  • そのまま新しいデジタル技術を導入したとしてもデータの利活用が限定的なこと
  • 既存の ITシステムの問題を解消するにはビジネスプロセスそのものの刷新が必要なこと
  • そのため現場サイドの抵抗が大きくて実行するのが困難なこと

経済産業省はこの課題を解決するために検討を重ね、そして2018 年 9 月 に『DX レポート~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~』として報告書にまとめています。

DXはIT化ではない!

DXの定義を見て、IT化をイメージする方もいるかもしれませんが、

DXとIT化には大きな違いがあります。

DXが「デジタル技術の活用によってビジネスモデルに変革をもたらし新しい価値を生み出すこと」を目指すのに対して、IT化はあくまでその過程で用いられる「手段」と言うことができます。

IT化 ⇒ 業務プロセスの効率化/スピード化を目指す = 量的変化

DX ⇒ ビジネスモデルの変革を目指す      = 質的変化

IT化は時間や工数など「量」が変わるので目に見えやすいのが特徴です。

それに対してDXはすぐには見えにくく、その変化が現れるまでに時間がかかる性質のものです。

企業が実際にDXを実現するための課題は、単なるIT化による業務改善という壁を超え、ビジネスモデルを変革するためのDXを実現することです。

経済産業省はそのために必要なこととして、

  • デジタル技術を活用してビジネスをどのように変革するかについての経営戦略や経営者による強いコミットメント   
  • それを実行する上でのマイ ンドセットの変革を含めた企業組織内の仕組みや体制の構築

が不可欠であると述べています。

DXの成功事例

1、amazon

DXのお手本ともいえるおがamazonです。

もともとはインターネットで書籍のみを販売していましたが、ユーザーファーストを徹底するためにカスタマーレビュー機能やレコメンデーション機能を充実し、使いやすいサイト設計を追求しました。

その結果、「書店で本を購入する」という多くの人にとって当たり前だった行動様式を変革し、さらに取り扱い商品の幅を広げ、「買い物」という行動を全く別のものに変えてしまいました。

さらにアマゾンは本業のEC事業を拡大し、動画配信などのデジタルコンテンツの提供も行うようになりました。

従来映画などの動画を自宅で見るためには、DVDを購入するか借りてくる必要がありました。

Amazoは動画コンテンツを配信することでそのすべてをデジタルに置き換え、DVDを買ったり借りたりするという行動を変革してしまったわけです。

2、ZOZO

国内においては、ZOZOも分かりやすいDX事例です。

ZOZOは2000年にインターネット通販を手掛けてからアパレル販売を中心に急成長を遂げました。

そして2019年3月期では商品取扱高が3200億円を超え、ZOZOTOWNの年間購入者数は800万人以上とアパレル通販サイトの1位の座を獲得しています。

ZOZOが実施したDXはいくつかあるのですが、最もわかりやすいのは通販でありながら「試着」を可能にしたことでしょう。

それまでは、アパレルは試着ができないため通販には不向きとされていましたが、ZOZOはデジタル技術によりその常識を覆したのです。

 3、スターバックス

全国に約1500店舗を展開する「スターバックス」もDXを実施している企業の1つです。

「スタバ」の愛称で多くの人々に親しまれている大手コーヒーチェーンですが、飲食業界でいち早く2019年に「モバイル&オーダーペイ」というサービスを開始しています。

モバイル&オーダーペイは、オンラインで事前にオーダーを行いさらに支払いまで完了することができるサービスです。

これによりあの長いレジの列に並ばずに商品を受け取ることが出来るばかりか、コロナ禍において人と接触することなく商品が受け取れる、という大きな付加価値を生み出しています。

DXを実現可能にするデジタル技術

 DXは、それ自体が何か特定の技術を指すものではありません。

企業がデジタル技術を活用して実現する変革全体を表すわけですが、それを実現するために欠かせない技術があります。

最後にそのようなDXの実現を可能にする技術をご紹介します。

  • AI×ビッグデータ
  • クラウド
  • 5G
  • モバイル
  • IoT
  • サイバーセキュリティ

それぞれ1つ1つが深いものばかりですので、また別の「教養シリーズ」でも取り上げたいと思います。

以上、DXについてご紹介しました。

DXって当初「意識高い系が使う流行り言葉」というイメージがありましたが、どのような分野の会社でも避けて通れないテーマです。

 自分が携わるビジネスではどのようなDXが実現できるか、ぜひこの機会に自社のDXについて考えてみて下さい。

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