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みなさんこんにちは。
いまさら聞けない、だけどサラリーマンとして知っておくべき世の中の常識について解説する
「ビジネスパーソン教養講座」にようこそ。
今回のテーマはビッグデータです。
ビッグデータは「膨大なデータ」ということでざっくりあっているのですが、
いくつか要点があります。
その要点とは、
ビッグデータは、多量性、多種性、リアルタイム性という性質をもった膨大なデータの集合である。AIをはじめとする高度なテクノロジーと合わせて活用することで、ビジネスの分野で革新的なサービスを生み出したり、より安全で豊かな社会を創造することが期待されている。
ビッグデータはもはやその言葉を聞いたことがない方はほとんどいない、と言ってもいいくらい 一般的な言葉になりました。
名前も分かりやすいですよね、とにかくでかいデータなんだろうと。
そこで今回はもう少し掘り下げて、
- それでは果たしてビッグデータで実際に何ができるのか
- 最新の事例はどのようなものがあるのか
といった点についてご紹介します。
ビッグデータとは
ビッグデータとは、IT技術やネットワークの発展により蓄積されるようになった膨大なデータの集合のことです。
膨大なデータ、といっても単純に量が多いだけではなく、
- 多量(Volume)
- 多種(Variety)
- 発生頻度・更新頻度(Velocity)
という3つの性質を備えていることが特徴です。
モバイルテクノロジーとIoTテクノロジーの進化によって、今現在も世界中の人々がweb閲覧履歴、位置情報、購入履歴、、、など、毎日多くのデータを生み出し続けています。
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この膨大なデータの集合であるビッグデータは、AIの出現によって大幅にその
活用余地が広がることになりました。
これらの膨大なデータをAIなどの高度な技術と掛け合わせて活用することで、企業はマーケティングに活かしたり新たなイノベーションを生み出すことが期待されています。
ビッグデータの性質
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ビッグデータはそれを活用してこそ初めて意味のあるものになるわけですが、 「ビッグデータ」をビッグデータたらしめている性質が4つあります。
それは次の4つの「V」で表されます。
1、容量(Volume)
ビッグデータの性質としてデータ量が非常に多いことが挙げられますが、 その容量は数テラバイトから数ペタバイトと言われています。
ちなみに1ペタバイト=1,000テラバイト=1,000兆バイトです。
これは従来の技術ではとても処理できませんでしたが、近年のコンピュータ機能の向上により 処理できるようになりました。
2、種類(Variety )
ビッグデータには、次のようなさまざまな種類のデータが含まれます。
- webサイトデータ ECサイトやブログなどに蓄積された閲覧履歴や購入履歴
- ソーシャルメディアデータ ソーシャルメディアにおいて参加者が書き込むコメントやプロフィールなど
- センサーデータ GPSやICカードによって検知される位置情報、乗車履歴など
- オペレーションデータ 小売店等での販売管理において蓄積されるPOSデータなど
- マルチメディアデータ web上にあるサイトで提供されている動画や音声など
- ログデータ webサーバ上に自動的に生成されるアクセスログなど
- カスタマーデータ CRMシステム(顧客管理システム)において管理される会員データ、販促データなど
- オフィスデータ オフィスのパソコンで作成される文書、eメールなど
特に昨今注目されているデータが2つの目のソーシャルメディアデータです。
つまりtwitterやInstagramなどのSNSですね。
現在では毎日世界中で数億人がなんらかの情報を発信していますので、 企業の販売活動に活かせるデータが日々蓄積されているわけです。
3、頻度・スピード(Velocity)
ビッグデータの性質として、リアルタイムで収集・蓄積・分析する必要があることがあげられます。
ビッグデータとしてビジネスで活用するためには、リアルタイムまたは ほぼリアルタイムで動作し、リアルタイムの分析とアクションが必要になります。
4、価値(Value)
ビッグデータを活用する際には、新たな価値を生み出すことが求められます。
ビッグデータを分析することで、ビジネス及び社会的な価値が生み出せるデータである 必要があるわけです。
ビッグデータを活用することでこれまでなかった経済的な価値が創出されたり、 社会的な課題が解決されるなどの実績を出す事が重要な要素となります。
簡単にまとめると、ビッグデータは多量で多種類かつリアルタイムに利用することが できるものであり、その活用によってビジネスや社会生活に新たな価値をもたらすものである、 ということです。
ビッグデータで何ができるのか
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それでは一体ビッグデータで何ができるのか見ていきます。
人の動きや社会全体の動向を分析する際は、これまでは統計という手法が用いられていました。
統計を用いることで対象の一部を分析し、それをもとに全体を推測する、という方法です。
商品を購入した人へのアンケート調査やよく知られたテレビの視聴率もこれにあたります。
これに対してビッグデータは、対象の一部ではなくその全てから収集したデータを もとに分析することが可能になります。
当然その精度は飛躍的に向上します。
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例えば、新幹線の乗車状況を調査する場合、これまでは一定の時間帯に乗車した客に アンケートを実施し回収していました。
しかしタッチレスの改札が普及した現在では、ある駅で乗車した客のすべてについて、 どこの駅で何時に下車したか、というデータを収集することが可能です。
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これにより、より正確なデータをもとにダイヤの改正や混雑の緩和に役立てることが可能です。
さらに乗客の動きを見極めることで、どこの駅に販売店を設置するのが効果的か、 といったような販売戦略に活用することも可能となるわけです。
また、ビッグデータに関しては、その利用企業や利用をサポートする企業群から ビッグデータ自体の市場が形成されます。
総務省情報通信審議会によると、その市場では10兆円を超える規模の付加価値が創出され、 12~15兆円規模の社会的コスト削減の効果があるといこまれています。
ビッグデータの活用事例
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では実際にビッグデータはどのように活用されているのでしょうか。
ビッグデータの活用については、現在までのところは、web上に蓄積・生成されている データを各種サービスの提供のために活用することを中心に発展してきています。
その代表例が、グローバルに展開するAmazon、Apple、Facebook、Googleなど 米国のネット系プラットフォーム事業者です。言わずと知れたGAFAですね。
各社は、利用者の商品・デジタルコンテンツ等の購買履歴や決済情報、 コミュニケーションの発信履歴など膨大なデータを蓄積しており、それらのデータを 分析・活用することでサービスの革新を進め、結果として圧倒的な競争力を保っています。
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国内では例えば楽天が、数千万人の会員の属性、商品購入履歴、各種サービスの利用履歴、 会員ランキング、ポイント活用履歴などのデータを毎日分析し、顧客特性に応じた広告を 配信するなど、ビッグデータを活用しています。
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その他にも日本国内でのビッグデータ活用例として、次のような例があります。
・コンビニ
大手コンビニ各社は、自社ブランドのポイントカードの利用促進を進めています。
もちろん固定ファンを獲得し顧客の囲いこみを目指している側面もありますが、 同時に商品の販売戦略に活用しています。
毎日蓄積される全国のすべての店舗のデータを分析することで、どの商品とどの商品が セットで購入されているか、どのような天候の際にどういった飲料が多く販売されているか、 など顧客の傾向や嗜好を把握することができます。
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そのデータをもとに、季節や場所に合わせた戦略的な販売計画を作成しているのです。
・気象予報
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気象予報は、ビッグデータを活用しやすい分野と言えます。
温度、湿度、降水量、風向、風速など、気象に関するデータは種類も多く、 毎日時間単位で情報が蓄積されるためその量は膨大です。
最新の気象情報と過去の膨大なデータを照合することで、降水確率や最高最低気温はもちろん、 台風の進路においてより精度の高い予測が可能となります。
天気予報にビッグデータを活用する例としてその先駆けと言えるのがウェザーニュース社です。
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ウェザーニュース社では、全国のアプリユーザーが簡単に天候状況を報告できるシステムを構築し、より個別最適化した気象予報を提供するサービスを始めています。
・自動車
自動車もビッグデータを活用しやすい分野の1つです。
HONDAの純正カーナビゲーションシステムであるインターナビは、幹線道路の情報を提供する 全国のVICS情報に加え、インターナビ搭載車から主要道路の走行データをリアルタイムで収集・蓄積しています。
毎月約18億km以上もの量で増え続ける豊富な実走行データをもとに独自のルート計算システムを 用いて、より精度の高いルートを提供するシステムを構築しています。
・自動販売機
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1つ面白い例をご紹介します。
一般的に陳列棚を見る際に、人間の視線は上段左側から右側へ移動したのち、 下段の左側から右側へ移動する法則があるといわれています。
これを「Zの法則」といいますが、小売業界ではこの法則に合わせて商品陳列を行うことが 定石とされています。
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しかし、大手飲料メーカーであるダイドードリンコは、顧客の視点と視線のデータを 解析することで自販機の上段よりも下段の方が多く視線が集まるという新事実を発見しました。
この結果をもとに、ダイドードリンコの主力製品を自販機の上段ではなく下段に配置したところ、 前年比1.2%の売り上げアップにつながったという例があります。
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ビッグデータはこの他にも、犯罪防止や治安の維持、治療や新薬の開発、自然を相手にする農作業の効率化、などあらゆる分野で活用されています。
ビッグデータの懸念点
最後にビッグデータの懸念点についてご紹介します。
ビッグデータの活用に伴う懸念点は個人情報の保護、プライバシーの確保の面でリスクが あるということです。
あらゆる情報が収集される世界では、個人を特定できるばかりか、特定の人物の趣味や嗜好、 買い物履歴や移動履歴など本来オープンにしたくない情報までさらされる危険があります。
ビッグデータは、生活の利便性を向上させることができる反面、個人の自由を束縛する結果に つながってしまう危険性を持っているのです。
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ビッグデータを利用する企業は、個人のプライバシーと利便性のバランスを常に意識する必要があります。
以上、ビッグデータについてご紹介しました。
こうしてみると、すでに私たちの正確には知らないところでビッグデータが活用され、 私たちもその恩恵を受けていることがわかります。
そしてさら高度な技術の出現により、全く新しいサービスが生まれる可能性もあります。
もうあと少ししたら、レストランの席に着いただけで何も言わなくてもその時食べたいもの が出てくる、なんて世界がやってくるかもしれません。
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