【ビジネスパーソン教養講座】ブロックチェーンってなに?

ビジネスパーソンのための教養講座
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みなさんこんにちは。

いまさら聞けない、だけどサラリーマンとして知っておくべき世の中の常識について解説する

「ビジネスパーソン教養講座」にようこそ。

今回のテーマは「ブロックチェーン」です。

で、先に結論から言うと、ブロックチェーンとは、

ざっくり言うと

新たに登場した「取引を記録する技術」のことです。

仮想通貨など金融をはじめ、身分証、課税、契約、製造過程など、

多くの分野に応用が期待される画期的な技術です。

では詳しく紹介していきましょう。

ブロックチェーンとは

ブロックチェーンとは、言葉の意味としては「分散型台帳技術」を指します。

ブロックチェーンと聞くとビットコインなど仮想通貨を思い浮かべる人が圧倒的に多いと思いますが、ブロックチェーンは仮想通貨とは別のものです。

ブロックチェーンは、取引履歴を暗号技術によって過去から1本の鎖のようにつなげ、

正確な取引履歴を維持しようとする技術です。

                    出典:経済産業省「ブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査報告書」

ブロックチェーンでは、まず取引処理が実行されるとその記録が残ります。

取引の記録は一定の大きさである1つのブロック単位にまとめられ、その時点で存在する最後のブロックの後につなげて保存されます。

これを繰り返すことで、記録の集合であるブロックが前後につながり、チェーン(鎖)のように時系列でまとまります。

ブロックチェーンでは、一箇所ではなく分散型のコンピュータネットワークのすべてに、取引の最初から最後まで正確に記録されることになります。

そして、ビットコインをはじめとした仮想通貨で使われている技術がこのブロックチェーンであり、従来の法定通貨の管理システムと一線を画す仕組みとなっています。

ちなみに従来の情報管理システムは中央集権型となっており、取引データを一箇所のデータベースにそのまま保存するシステムでした。

さらにちなみにですが、ビットコインは2008年に誕生した仮想通貨で、「サトシ・ナカモト」と名乗る人物がインターネット上に投稿した論文から開発されました。

その際にビットコインの基盤となる技術として発明されたのがブロックチェーン技術です。

なんと開発者は日本人のような名前ですが、実際は謎の人物とされ、国籍や性別、個人なのか組織なのかさえ分かっていません。

ブロックチェーンの特徴

ブロックチェーンはインターネットに次ぐ重要な発明であるとまで言われていますが、深入りしても難しくて理解できなくなるので、これだけは押さえたいポイントを4つ挙げています。

 1、特定の管理者やサーバに依存しない

出典:経済産業省「ブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査報告書」

ブロックチェーンは分散型のネットワーク全体でそれぞれデータを管理しています。

一箇所にシステムを置くのではなく、ユーザー同士でシステムを管理しあう構造になっているため、特定の管理者やサーバに依存することがありません。

仮に1つのコンピュータが壊れたからといって、ブロックチェーン技術を活用している取引が停止するようなことはありません。

2、データを改ざんすることがほぼ不可能

ブロックチェーンで行われた取引について改ざんを行おうとする場合は、それより後の取引についてすべて改ざんしていかなければなりません。

取引の記録は1か所だけではなくネットワークに分散されているため、すべての記録を書き換えることは不可能といえます。

そのためデータの改ざんが極めて難しくなっています。

3、システム障害やハッキングに強い

ブロックチェーンは一部のデータが削除されても、そのほかのコンピュータに同一のデータが保存されているため比較的容易に復旧することが可能です。

もしブロックチェーンを完全に止めようと思ったら、データを共有するすべてのコンピュータを同時に壊さなければなりません。

そのため、事実上ブロックチェーンのネットワークを破壊することは不可能であり、システムダウンする可能性がほとんどないと言えます。

4、取引コストが安い

出典:経済産業省「ブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査報告書」

ブロックチェーンを利用している仮想通貨は特定の金融機関などを介さないため、手数料などのコストが安くすみます。

従来、海外に現金を送金する場合には割高な手数料がかかっていましたので、これはうれしいですね。

しかし、ブロックチェーンを活用した仮想通貨を海外へ送金するのであれば、銀行を通さずにユーザー同士が直接送金できるため、最小限の手数料で済むわけです。

ブロックチェーンの課題

優れたシステムとして急成長を続けるブロックチェーンですが、現状では次のような課題も残っています。

1、処理速度が遅いため取引に時間がかかる

ブロックチェーンは蓄積されるデータが膨大な量になるため、取引の処理に時間がかかります。

具体的には、ビットコインの取引を1回行うのに約10分の時間が必要とされています。

仮想通貨によっては処理速度や取引速度を向上させる取り組みを行っていますが、金融や証券のように「リアルタイムな取引」が求められるケースにおいて、現状ではブロックチェーンは不向きといえます。

2、記録されたデータを削除できない

ブロックチェーンの「データの書き換えができない」という長所は、反対に言えば「書き込んだデータを削除できない」という短所につながります。

誤って個人情報を書き込んだり、宛先を間違えて送金したりしてしまった場合でも処理のやり直しや取り消しができません。

ブロックチェーンを使用する際は、間違った情報を記録しないように注意しながら使う必要があります。

ブロックチェーンで何ができるのか

1、仮想通貨

言うまでもありませんが、仮想通貨はブロックチェーン技術を活用した最初の事例です。

最初の仮想通貨としてビットコインが登場し、その後に数多くの仮想通貨が誕生しています。

その過程でブロックチェーンの仕様にもさまざまなバリエーションができています。

ちなみに仮想通貨は、2021年に入って大きく価格が変動していますが、カナダで3つのビットコインETFが承認されました。

さらに2021年6月には中南米のエルサルバドルでビットコインを国の法定通貨とする法案が可決されるなど、その可能性はさらに広がりを見せています。

2、国家の情報管理

ブロックチェーンは、国の課税システムや登記、医療記録などのインフラ部分に応用することができると言われています。

実際に、北ヨーロッパにある人口130万人程度の小さな国であるエストニアでは、国家レベルでブロックチェーンを活用し始めています。

エストニアはIT先進国として知られており、多くの人が利用しているあのSkypeもエストニアで開発されました。

今後、同じく国家レベルで国の基幹システムにブロックチェーン技術を取り入れる例が増えると見込まれています。

3、食品トレーサビリティ

食品業界にとってトレーサビリティは、食の安全確保や品質管理、さらに業務効率を高めるためにも非常に重要です。

しかし、食品が加工品であれば原材料の数も増え、生産地もグローバルに広がってそのすべてを追跡して把握するのは非常に難しくなります。

そこでブロックチェーンを活用して、食品サプライチェーンの各工程における情報をリアルタイムに共有するという試みが始まっています。

実際に、米国に本社を置く世界最大のスーパーマーケットチェーン「Walmart」は、食品管理にブロックチェーンを活用しています。

豚肉とパッケージ商品の流通経路にブロックチェーンが試験導入されており、どこの国で誰がいつ生産し、それがどのような経路を通って店頭に並べられているのかがブロックチェーン上にすべて記録されています。

4、著作権保護

ブロックチェーン技術を使って、音楽、映像、コミック、テキストなどのデジタルコンテンツの著作権を守る試みもなされています。

デジタルコンテンツの売買や貸与などの取引履歴をブロックチェーンに記録して管理すれば、その履歴と合致する本物と合致しないコピー品とを識別することができます。

不正なコピーや利用があった場合も、いつどこで不正が発生したのかを特定しやくなります。

既に日本でもデジタルコンテンツの著作権を管理・保護するサービスの稼働が始まりつつあります。

5、選挙における活用

ブロックチェーンの技術で公正な選挙を実現する試みも始まっています。

2018年11月に米国のウェストバージニアの連邦選挙で、米国初のブロックチェーン投票が行われました。

対象となったのは選挙権を持つ海外駐在軍人約1000名で、実際に投票した人は144名でした。

2020年にユタ州で行われた米国大統領選挙の本選挙でもブロックチェーン投票が実施されています。

もともと米国では郵便投票や不在者投票に関しては、集計作業の遅れや不正な投票が可能であることを問題視する声がありました。

これに対しブロックチェーン投票は不正にデータが改ざんされるリスクが非常に低いことから、選挙に適した技術だとされています。

以上、ブロックチェーンについてまとめてみました。

こうやってまとめてみるとすごい技術であることは分かりますが、一般人の生活には幾分見えにくいため、いまいちインパクトに欠ける印象があるかもしれません。

(ブロックチェーンを開発している皆さんごめんなさい)

しかしあらゆる種類の取引において画期的な技術であることは間違いなく、国家システムや金融システムの根幹を支える技術として期待したいですね。

サラリーマンがビットコインを上手に買うにはこちらの記事をご参照ください。

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