副業を探しているサラリーマンの中には、代理店業に関心を持つ方も多いと思います。
私「とあるサラリーマン」も30代で副業を始めた際は、個人代理店として何種類かの商材を扱いました。
実際、サラリーマンの副業市場の拡大を受け、個人が副業でも扱える代理店が増えてきています。
確かに代理店制度を利用することで商品力のある商材を扱うことができるため、個人で何らかの事業を始めるよりもはるかに早く収入を得ることができます。
ただ、一方で詐欺まがいの代理店募集や詐欺まではなくても制度が貧弱で、加盟金を払ったもののほとんど利益を上げることができないケースがあるのも事実です。
私自身もこれまでいくつかの代理店契約をしてきましたが、加盟金を目当てに個人を勧誘していると思われる会社もありました。
悪質な詐欺の場合はもちろんしかるべき手続きで対応することになりますが、ほとんどの場合は一度契約して加盟金を支払うと基本的に返金には応じてもらえません。
そこで今回はこれから個人代理店を検討したい方向けに、そもそも個人代理店の仕組みと成功させるための選び方をご紹介します。
そもそも代理店とは
代理店とは簡単に言うと、モノやサービスを販売したい特定の会社から委託を受けて営業を行う法人や個人のことを指します。
営業を委託する会社は、商品やサービスを取り扱うメーカーや卸売業者であることが多く、その販売元は「代理店本部」と呼ばれています。
代理店となる法人、もしくは個人は代理店本部と契約を結び、その会社の商品やサービスを営業する権利を得て顧客に営業活動を行います。
ちなみにサラリーマンが個人で行う場合も「代理店」と呼ばれます。
代理店を始めるために必要な準備
個人代理店に本格的に取り組む場合は、副業であってもある程度の体裁を整えるため以下の準備をおすすめします。
- 名刺
- 独自ドメインによるメールアドレス
- 営業用スマホ
- 郵便物の発着が必要な場合はバーチャルオフィス契約
名刺に記載する屋号は、個人事業主の届けを出している場合はその名称、ない場合は代理店本部の名称を記載します。
最近では100枚程度の定型名刺であれば1000円程度で作成することができます。
また、メールアドレスがgメールなどのフリーメールの場合はやはり信用度が落ちますので、独自ドメインのメールアドレスを取得することをおすすめします。
独自ドメインの取得には多少の費用が掛かりますが、そのくらいの出費は必要経費と言えますね。
スマホについてもプライベートの番号に仕事の電話がかかると余計なトラブルやストレスの原因になりますので、副業用のスマホを準備しておくと後が楽になります。もちろん格安プランで構いません。
おすすめの代理店商材も紹介していますのであわせてこちらの記事もご覧ください。
代理店の種類
代理店と似ている制度に販売店があり、ほとんど同義で使われるケースもありますが、正式には以下のような違いがあります。
つまり、商品を買い取らずに販売手数料を得るのが代理店で、商品を買い取って販売するのが販売店となるわけですが、サラリーマンが副業で取り組むのは「代理店」となります。
詳細な定義や区分を覚える必要はありませんが、先に在庫として商品を買い取ってから販売するような契約の場合は、よほど業界や商品に精通していない限り避けるようにしてください。
また、最近では代理店の種類の一つである「紹介店」というスタイルが注目を浴びています。
これは、本部に見込み顧客を紹介し、その顧客が契約成立に至った場合に手数料を得られる仕組みです。
この形態は「リファラル(紹介)営業」と呼ばれ、負担が少ないという利点から副業として始めるのに適しています。
リファラル営業など、副業マッチングサイトの記事はこちら
代理店とフランチャイズの違い
こちらもよく似た制度として名前を聞くことがあると思いますが、実は大きな違いがあります。
それは「ロイヤリティー」です。
フランチャイズの場合、本部の商標やノウハウを利用できる対価として、ロイヤリティを支払うのが一般的です。
売上に応じてロイヤリティを支払う場合、売上が上がるほど支出も増えるデメリットがあります。
反対に代理店にはロイヤリティがありません。また、初期費用にも大きな違いがあります。
フランチャイズの場合は初期費用が高い場合は1000万円になることもあるのに対して、代理店の場合は数万円~数十万円のケースがほとんどです。
脱サラして独立開業する場合は選択肢の1つになりますが、サラリーマンが副業として取り組む場合はフランチャイズは避けた方がいいでしょう。
個人代理店のメリット
続いて個人代理店のメリットを見ていきます。
・大手のブランドを使って営業ができる
代理店契約を締結することで大手メーカーの商品やサービスを取り扱うことができます。個人が副業で営業を行う場合でも、商品・サービスの知名度があれば販売や営業活動もスムーズになります。
・すぐに事業を始められる
代理店本部と契約を結べば、基本的にはすぐに商品やサービスを取り扱うことができるようになります。特に扱う商品に関する知識や業界経験がある場合は、比較的スムーズに個人代理店を立ち上げることができます。
・リスクが少ない
代理店はフランチャイズに比べると低い初期費用で開業できることが多いため、軌道に乗らなかった場合でも大きなリスクはありません。
店舗や在庫を持つこともないため、撤退にかかる費用も小さく抑えることができる、つまり自分でコントロールできる範囲となります。
個人代理店のデメリット
反対にデメリットも確認しておきましょう。
・売上があがる保証がない
加盟金を払って契約を締結しても営業に関する責任は代理店にあります。当然のことながら、代理店になったからと言って売上げが約束されるわけではありません。
仮に知名度や魅力のある商品・サービスであっても、新規に売上げをあげるためには営業活動が必須となります。
・本部のサポートが不十分なケースがある
代理店本部が大手ではなく中小企業の場合は、本部としてのサポートが十分ではないケースがあります。
そもそも代理店を募集する目的が自社の機能不足を補うことであるため、代理店が持っている販売網や営業力をあてにしているケースもあるわけです。
私も経験したことがありますが、商品展開の構想はあるものの、本部の販売実績自体もほとんどなく、代理店任せの体質である本部も見受けられます。
本部が大手でない場合は、販売元の事業の実績やサポート体制をしっかり確認するようにしてください。
反対にサポート体制がしっかりしている場合は、契約後一定期間ごとに様子を確認する電話をくれるような本部もあります。
・販売の仕組みが確立されていないことがある
加盟金とロイヤリティーを払う代わりに確立された営業・販売ノウハウをそのまま使うことができるフランチャイズに対して、代理店の場合は確立されたノウハウがないケースがあります。
その分自由度が高いということもできますが、代理店となる個人に営業力がない場合、売上につながらないこともあります。
副業として代理店を行う場合の必須条件
続いてサラリーマンが副業で行う場合でも成功することができる可能性が高い条件について、「必須の条件」と「あると望ましい条件」に分けてご紹介します。
数ある代理店の中から成功する確率の高い案件を選ぶために参考にしてください。
・在宅で開業可能であること
独立開業と違い、会社員が副業として開始する場合は自宅で開業できることが最低限の条件と言えるでしょう。
これも私自身が経験したことですが、不動産の賃貸契約というのは、本業とは関係ないところで大きな足枷になりますので、少なくとも副業で開始する場合は店舗を構える必要がない案件であることが前提となります。
・在庫を持たないこと
扱う商材が物品を販売する形態の場合、案件によっては先に商品を仕入れる必要があるケースがありますが、副業として取り組む場合は大きなリスクとなりえます。
代理店として営業活動を行い、見込み客を獲得した際に本部につなぎ、契約・販売自体は本部が行う形態となっていることを確認するようにしてください。
・初期費用が少ないこと
代理店の場合はフランチャイズのように数百万円の初期費用が掛かるようなケースはほとんどありませんが、かといって全く費用がかからないわけではありません。
初期費用ゼロの案件もありますが、一般的には数万円~数十万円の加盟金が必要となります。
初めて代理店業に取り組む場合は、中期的な視野で自身の副業計画を立て、最初は0~30万円以内で開始できる案件を探しましょう。
副業として行う場合に「あると望ましい」条件
続いて、これまで私自身がいくつかの代理店業務を経験して学んだことや、代理店ビジネスで成果をあげている人達との交流を通じて気づいた「成功しやすい条件」を紹介します。
・業界経験があること
どんな商品にもその業界特有の売り方や販売手法があるものです。一見わかりやすい商品でも、実際に売るとなるとその営業手法は業界人にはかないません。
そこで副業を始める場合もできるだけ業界経験があった方がいいわけですが、一方で同業での副業は禁止されているのが一般的です。その場合ちょっと見方を変えると新たな可能性が見えてきます。
例えば、本業でよく利用する商品・サービスを売ってみるとか、市場をよく知っているマーケットに対して別の製品を売ってみる、といった具合です。
一例を挙げると、
普段中小企業で総務を担当していて、経理や事務処理などの作業を外注している場合に、その外注サービスを販売する側に回る、といった例です。
この場合、普段は「提案される側」、「選定して購入する側」なので、ユーザーの気持ちがよく分かっている、というアドバンテージがあります。
それを抑えたうえで、今度は売る側として別の中小企業に類似の商品を販売するやり方です。
また、例えば
普段は不動産業界で店舗や事務所の賃貸を扱っている場合に、店舗やオフィス向けのインターネット回線、衛生(コロナ)管理製品、ウォーターサーバを販売する、などです。
この場合、賃貸契約を通じて店舗や事務所の状況をよく知ることができるので、副業ではその知識を生かして同じターゲットに別の物を販売する、というやり方です。
代理店を選択する際は、全く初めての商材を扱うのではなく、このように何らかのアドバンテージを持っている商品・サービスがないか、様々な角度から検証してみてください。
・販売を見込める人脈があること
扱う商材を販売する「あて」がある場合も代理店ビジネスが成功する要因の1つです。
例えば商店主や店舗の店長、販売員などに知り合いが多い場合は、キャッシュレス決済サービスを紹介することができます。
単純に「友達が多い」という場合でも、スマホの格安プランや光回線、電気・ガスのお得なプランへの切り替えなど、見込み客を確保するうえで有力なアドバンテージとなります。そのような見込み客が数名いたとしてもすぐに尽きてしまう、という心配もあると思いますが、その点は心配いりません。
最初の数件の契約をこなすことができれば、そこでノウハウが蓄積され新規の見込み客の獲得に自然とつながるものです。
また、なんらかのインセンティブを設定し、知り合いの知り合いを紹介してもらう方法も効果的です。
そのあたりの展開のやり方は副業であってもビジネスの醍醐味の一つと言えます。
・個人として営業力があること
長期的な視野で代理店ビジネスを継続できるかどうかは個人の営業力にかかっています。
一言で「営業力」といっても、その中にはコミュニケーション能力の他、マーケットの知識、差別化の工夫、効率的な営業手法、など様々な要素があります。
先ほど書いたようなアドバンテージを生かして立ち上げ時からある程度の成果を出すことができたとしても、それを継続させるためには知識とアイディアをベースにした行動力、実行力も必要となります。
また、代理店の営業手法はまだまだテレアポや戸別(店舗)訪問が中心になりますが、当然ながらその成約率は高くはありません。
営業であれば誰しも経験することですが、それでもあきらめずに継続できる粘り強さも必要になってきます。
以上サラリーマンが個人代理店を始める際に必要な基礎知識と商材選定の際のコツをご紹介しました。代理店が扱う商材は多岐にわたっており、今後もますます増えていくことが見込まれています。
特に営業畑で活躍してきた会社員にとっては、代理店という手法は副業として大きな可能性を秘めた選択肢と言えます。代理店は、サラリーマンが本業+副業+投資のスタイルを確立するうえで有効な手段の1つですので挑戦してみてください。
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