このブログでは、サラリーマンが「本業」×「副業」×「投資」の3本柱を構築することを基本コンセプトとしています。
それによって「脱会社依存」を目指しているわけです。
ところが日本では投資について学ぶ機会はほとんどなく、むしろ「投資は怖い」というイメージがまだまだ残っています。
「投資は賭けみたいなものだから、堅実に貯金をするほうがいい」という人もまだまだ多いと思います。
もちろん当面の生活費と、教育費や住宅費など中期的な出費に備えた貯金は絶対に必要なものです。
しかし10年、20年という長い期間で考えた時、堅実な方法で「投資」を行うことで資産を増やすことができます。大きな資産を持たないサラリーマンこそ、時間を味方につけることができるのです。
ところがその投資のやり方は一般には学ぶ機会がないため、その方法を知らないケースがほとんどです。
そこで今回は「投資」に焦点を当て、サラリーマンの投資戦略として知っておくべき基本と具体的方法をご紹介します。
サラリーマンに資産運用が必要な理由
・老後2000万円問題
老後2000万円問題を耳にしたことがある方も多いと思いますが、その具体的な中身は意外と知らないのではないでしょうか。
これは2019年6月に金融庁が発表した「高齢社会における資産形成・管理」という報告書に書かれていた内容が大きく取り上げられたものです。
めちゃくちゃ簡単に言うと、定年後に夫婦で90歳まで生活するためには約2,000万円の老後資金が必要になる(不足してしまう)というものです。
もう少し詳しく説明しましょう。
夫が65歳以上、妻が60歳以上の無職世帯における平均的な実収入は月額約約21万円で、消費支出は26万4,000円ほどになるとみられています。
つまり毎月約5.5万円の赤字が出ることになります。
この赤字はその後の30年間で、1980万円(5.5万円×12カ月×30年)まで広がる計算となり、この赤字分を補うために2000万円の貯蓄が必要になる、というわけです。
この報告書=老後2000万円問題については様々な意見がありますが、
・日本人の平均寿命は延びている
・年金などの社会保障給付は減少傾向にある
・退職金も減少傾向にあり、終身雇用制度の維持が難しくなっている
という事実は、私たちはしっかりと認識する必要があります。
・超低金利時代
日本は「低金利時代」に突入して久しいといわれています。バブル景気崩壊後の1990年代半ばから約25年もの長期にわたり、金利が低水準で推移しているのが現実です。
バブル時代には、年2%と言われた金利もバブル崩壊後下がり続け、2021年3月現在では0.001%まで下がっています。
この場合、100万円を1年間預けた場合の利息が10円である計算になります。
金利が高い時代は貯金を増やすことがいいとされ実際にお金が増えていましたが、そのような時代は終わっています。
日本には「将来の備え」という固定概念がまだまだ残っているので、銀行の預金残高を増やすことに一生懸命になり、実際に残高が増えることで満足しているケースがたくさんあります。
そのような人が言うのは「金利が低くても元本は保証されるので下手に投資に手を出して減らしてしまうよりはいい」というものです。
確かに気持ちはわかりますが、そのような場合は物価の上昇についても考える必要があります。
先ほどのように超低金利が続いている場合でも物価は上昇しているケースもあるということです。
確かに100円ショップなどが普及しものが安くなっていますが、郵便料金や一部の食品など年々値上がりしている商品もありますよね。
物価が上昇する場合、同じ額のお金を持っていてもその実質的な価値は目減りしていくことになりますので、つまり、銀行に預けているお金も資産価値が減っていくことになります。
その分は資産運用によりカバーする必要があるのです。
実際に投資の対象となる金融商品は、物価に合わせた値動きをするケースがほとんどです。そのため資産の一部に金融商品を組み入れることで、インフレに負けない資産形成を目指せるようになります。
もちろん急な出費に備えるため一定の残高は必要です。
しかし同時に来るべき老後を見据えサラリーマンは積極的に資産運用に取り組むべき時代になっています。
では資産運用と言っても実際には何をすればいいのでしょうか。
ここではまず資産運用にあたって抑えるべき基本をご紹介します。
サラリーマンが抑えるべき投資の基本
サラリーマンが抑えるべき投資の基本はズバリ「長期投資」×「分散投資」×「複利効果」です。
・長期投資
投資の基本1つ目は長期投資、つまり投資期間を長くとることです。
長期間投資することにより、
・時間分散によるリスクの軽減が図れる
・配当や分配金といったインカムゲインの積み上げができる
・複利効果の恩恵を最大限に受けることができる
という3つのメリットを享受することができます。
複数回に分けて金融商品の購入や売却をすることにより買値や売値の平均化を図り、値動きにより資産が減少するリスクを軽減することができます。
また長期保有によるインカムゲインの積み上げもリスクを抑えるうえで有効です。インカムゲインを多く得ていれば、仮に売却時に損失が出たとしても相殺できるケースもあるからです。
一昔前は、定年退職後に退職金などを元手に投資を始めるのが一般的でしたが、老後資金を貯める時間をより長くとれる現役サラリーマンは、できるだけ早く投資に着手するべきなのです。
・分散投資
分散投資の重要性を説く際に出てくるあまりにも有名なことわざとして「卵を1つのかごに盛るな」というものがあります。これはもはや説明は不要ですね。
1つの株式銘柄や投資商品に資金を集中する場合、世界的な不況や大災害など予期せぬ価格変動の際に受けるダメージが大きくなるため、複数の銘柄、商品に分散することが大事になります。
ただ、いついかなる場合も分散投資が正解かというと必ずしもそうではありません。
分散投資のデメリットは、リスクが少ない分リターンも少ないということです。
資金にある程度余裕があり、確かな選定ができる場合は集中投資を選ぶべき局面もあるかもしれません。
ただ、ほとんどのサラリーマンンにとってこの分散投資は、冒頭の長期投資とセットにすることが基本となりますので、まずは集中投資ではなく分散投資から始めるのがいいでしょう。
・複利効果
サラリーマンが抑えるべきポイントの最後は「複利効果」です。
複利効果とは、投資を中長期でおこなっていく中で得られた利益をそのまま運用に回すことで、リターンが加速的に増えていく効果のことです。
投資期間と複利には関係があり、投資期間が長くなればなるほど、複利効果も大きくなる傾向があります。
投資期間が長くなることで価格変動リスクが小さくなり、安定した収益が期待できるのです。
そのため、長期、分散に加え複利効果を狙った投資スタイルがサラリーマンの基本戦略となります。
具体的投資戦略
長期投資、分散投資については分かりやすいと思いますが、実際にどのように投資すれば、複利効果を得られるか紹介します。
・株式投資
まずは株式投資の場合です。
株式投資で複利運用するためには、株の取引で得た利益をそのまま次の取引の資金として再投資しましょう。
具体的には決算後に受け取る配当金でさらに株を買い増せば複利運用となります。
運用の複利効果を高めるには定期的な買い増し(再投資)が必要なので、規則的に買い増しをしていくのが良いでしょう。
株式投資には値上がりによる売却益を狙う「キャピタルゲイン」と、配当や株主優待など株主へ還元されるリターンを狙う「インカムゲイン」がありますが、長期投資に向いているのはインカムゲインです。
以下に挙げるのは、長年にわたり増配を続けている優良企業の一例です。
このような銘柄を保有し、その配当金でさら同じ銘柄を買いますことで複利効果を伴う長期投資が可能となります。
- 花王(4452)
- ユー・エス・エス(4732)
- SPK(7466)
- 明光ネットワークジャパン(4668)
- 三菱UFJリース(8593)
- リコーリース(8566)
- トランコム(9058)
- プラネット(2391)
- KDDI(9433)
- 東京センチュリー(8439)
・投資信託
個人投資家にとって少ない資金でも 複利の効果を実践しやすい投資方法の1つが投資信託です。
投資信託とは、投資家から集めた資金を専門家である運用会社が運用し、利益を投資家に還元する金融商品のことです。
中でも日経平均株価やダウ平均といったように世界各国の平均株価や株価指数といった経済指標と連動するように運用されている投資信託のことをインデックス投資信託と言います。
さらにインデックス投資信託のうち、証券取引所に上場されていて株のように手軽に売買できるものをETFといいます。
投資信託はファンド内で複数の銘柄に投資が行われるため、1つの銘柄を購入するだけで分散投資の効果を得ることができます。
投資資金も数千円~1万円といった少額から始めることができますので、サラリーマンには始めやすい投資商品となっています。
投資信託の場合は、「毎月分配型」や「年1回分配型」ではなく、分配金を支払わずに再投資する「分配金がない」タイプを選ぶことで自動的に複利運用となります。
ほとんどの証券会社では、投資信託のファンド購入時に「分配金を受け取る」か「分配金を再投資する」のどちらかを選べるようになっています。
そのため、ファンド購入時に分配金を再投資する設定にしておけば、ファンドから分配金が出ても自動でファンド元本に再投資されますので、手間をかけずに複利運用ができるようになります。
一方で複利運用にはデメリットもあります。
それは、解約または売却をするまでは分配金の支払いがないため、解約または売却した時の基準価額が購入した時の基準価額を下回っている場合、それまでの運用益は得られないということです。
ただ、株も投資信託も長期運用することで価格変動で受けるマイナス影響を減らすことができますので、やはり複利・長期・分散をセットにするようにしましょう。
・ロボアドバイザー
最近では、AIが最適な投資内容を選定し自動的に実行してくれるロボアドバイザーというサービスも広がっています。
投資にかける手間を極力省きたい方や、銘柄選びに悩んでしまうという方には、ロボ・アドバイザーの自動複利運用もおすすめです。
どのような運用をするかは、申込時に回答するアンケートをもとに決定されます。
運用方法はAIが判断しますので、はっきり言って人間より優秀です。
金融商品は証券会社によって異なりますが、ETF(イーティーエフ、上場投資信託)や投資信託で主に運用されています。
ほとんどのケースで、最小投資金額として10万円(積立は1万円)程度で始めることができるようになっているのも特徴です。
一方ロボアドバイザーのデメリットとしてあ抑えておくべきポイントは手数料がかかる点です。
利用するロボアドバイザーや投資額によって手数料額は変わりますが、おおむね1%程度に設定されていますので利用する際は事前に確認するようにしてください。
長期・分散・複利をすべて実現する具体的方法
サラリーマンの資産運用における基本は「長期」「分散」「複利」であることを説明しましたが、最後にそれを実践する方法を紹介します。
それはズバリ、ネット証券で投資信託(インデックスファンド)を積立購入することです。
毎月拠出できる額を決めて、10年20年と自動的に積み立てていくように設定するだけです。
また、サラリーマンにとってつみたてNISA枠はまず活用するべき必須の投資&節税手段です。
もしネット証券を開設していない場合は、楽天証券に口座を開き、楽天経済圏の住民になるのもおすすめです。
投資にはリスクがつきものですが、現在は投資をしないリスクが増大しています。
誰にでも正解となる投資方法はありませんので、家族構成や収入に応じて自信にあった投資方法を見つけたいですね。
サラリーマンの投資の定番「iDecoとNISA」についてもこちらの記事でご覧ください。
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